経営事項審査(経審)とは
建設業者の施工能力、財務の健全性、技術力等を判断するための資料として、その企業の完成工事高、財務状況、技術者数などの項目(客観的事項)を総合的に評価するものです。
公共工事を国、地方公共団体から直接請負う(元請)建設業者は、経営事項審査を必ず受ける必要があります。(建設業法27条の23)
又経営事項審査を受けていると売上・財務内容が点数として公開されるので、金融機関からの評価も高くなります。
経審申請の手順
建設業用の決算書の作成
税理士が作成した決算書を、建設業用に修正・変更します。税理士作成の決算書は税務申告が目的、建設業用の決算書は、財務内容の分析が目的で、その用途が異なるからです。
経営状況分析結果通知書
国土交通大臣の登録を受けた経営状況分析機関(現在9社あります。)に建設業用の決算書を基本とした経営状況(Y点)の分析を所定の手数料を支払い依頼します。
分析後に経営状況分析結果通知書が発行されます。
決算変更届(実績届)の提出
経営事項審査においては、審査の対象となる事業年度の決算内容を分析してY点が算出されます。
経営事項審査を受ける前に、対象年度の決算期から4カ月以内に提出義務がある、決算変更届を提出し、受付を終わらせることが必要です。
つまり決算変更届⇒経審の順に行います。実務的には同時に行うことも多いです。
経営事項審査の申請
経営規模等評価結果通知書申請書
総合評定値請求書
経営規模等再審査申立書(再審査の場合)
上記の書類を作成し申請を行い、点数計算します。
総合評定値(P点)の計算
①経営規模の認定(X) Xは完成工事高(X1)と自己資本額及び利益額(X2)に分かれます。
②技術力の評価(Z)
③社会性の確認(W)
④経営状況の分析(Y)
上記4つの指標を基に下記の計算式により総合評定値(P)を算出します。
(P)=(X1)×0.25+(X2)×0.15+(Y)×0.20+(Z)×0.25+(W)×0.15
つまり、建設業経営の総合的な成績が許可業種別に点数評価されます。
この数字が公共工事を受注する上での自社の持ち点になります。
上記の計算式からもわかるように、完成工事高(売上高)だけをアップさせても、それがP点に占める割合は25%です。P点をアップさせるには、X点からY点の全ての項目について、自社で対応可能なことは何かを検討することが重要です。
P点の最高点 2143点、最低点-18点
平均点は700点ぐらいです。
公共工事の発注先により、このP点によって入札参加資格が決められていることが多いので、自社希望の公共工事に入札参加するには、P点が何点必要なのかを確認し、足らない場合は点数アップのために可能な事項を改善する必要があります。
経営規模等評価結果・総合評定値通知書
大阪府の場合、申請書受理し、補正が解消された日から土日・祝日を含み22日程度で通知書が届きます。
経営事項審査の結果通知書の有効期間
審査基準日(原則決算日)から1年7カ月が有効期間です。
公共工事を受注するためには、これを切らす期間があってはいけません。
つまり、この期間の間に、次の決算期の経営事項審査の審査結果を得ておく必要があります。
経営事項審査は、岡田行政書士事務所までご相談ください。