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専任技術者と配置技術者は兼務可能なのか

専任技術者と配置技術者は兼務可能なのか

2023年12月11日

大阪の建設業許可に詳しい、行政書士の岡田です。
専任技術者とは建設工事に関する請負契約を適正に締結するため、各営業所に必ず置かなければならない、一定の経験や技術を要する技術者です。

配置技術者とは建設工事の適正な施工をするため、各工事現場に置かなければならない、一定の経験や技術を要する技術者です。(下請工事の金額によって主任技術者と監理技術者に分けられます。)
下請に出す工事の額(消費税含む)の額が5000万円未満(建築一式工事の場合は8000万円)未満の場合は主任技術者、それ以上の場合は監理技術者です。(令和7年2月1日から改正されます。)

つまり、専任技術者は営業所で職務を行い、配置技術者は工事現場で職務を行います。

このことから、原則専任技術者と配置技術者の兼務はできないことになります。

ただし、次の要件を満たした場合、例外的に兼務が可能なる場合があります。

1、専任技術者が置かれている営業所で契約締結した建設工事であること。

2、それぞれの職務を適正に遂行できる程度に近接した工事現場であること

3、営業所と工事現場が常時連絡を取りうる体制にあること

4、建設工事が、配置技術者の現場専任配置を必要とする工事でないこと。
現場専任配置を必要とする工事とは、公共性のある工事で工事1件の請負金額が4500万円(建築一式工事は9000万円)以上のものです。(令和7年2月1日より改正されます。)
公共性のある工事とは公共性のある工事の他、鉄道、道路、ダム、上下水道、電気事業用施設等の公共工作物の工事、学校、デパート、事務所、共同住宅、工場等、多くの人の利用が想定される工事です。
つまり個人住宅以外のほとんどの工事が対象になります。

※営業所との近接の程度については、許可権者により異なる場合がありますので確認をお願いします。

令和6年12月13日の建設業法改正による、専任技術者の現場兼任

上記のとおり、専任技術者は例外はあるにせよ、営業所の技術者であり、現場の技術者ではないとの考え方から、現場を担当することは原則認められていませんでした。
それが、令和6年の建設業法の改正により、一定の特例条件を満たせば、現場専任を必要とする工事であっても、営業所技術者(法律改正により、専任技術者より名称変更となりました。)が配置技術者になることができるようになりました。

営業所技術者が配置技術者兼務可能な特例条件

  • 工事請負金額は1億円未満(建築一式工事も1億円未満)
  • 現場数は1現場のみ
  • 営業所と現場間の距離が、勤務時間内で巡回可能でかつ移動時間は概ね2時間以内
  • 営業所技術者又は特定営業所技術者との連絡その他必要な措置を講ずるための者(土木一式工事又は建設一式工事の場合は、当該建設工事に関する実務経験を1年以上有する者)を請負契約を結んだ営業所及び当該建設現場に配置していること
  • 施工体制を確認できる通信情報技術の措置
  • 人員の配置を示す計画書の作成、現場に据え置きと営業所に保存(電磁的記録媒体による作成保存を含む)
  • 工事現場以外から、現場状況を確認するための情報通信機器の設置

以上です。
労働人口の減少による建設業界の人手不足、ICTの発達という外部環境の変化に応じた施策かと考えます。

配置技術者の現場専任についても令和6年の建設業法改正により、変更があります。
配置技術者の現場専任