売却パターン
不動産を売却する方法としては、次のパターンがあります。
1,不動産業者に媒介依頼を出して、専任媒介契約、一般媒介契約等を業者と締結して市場に出す
この場合は、相手が一般の買主なので、ある程度の時間が必要。又買主の資金状況に左右され、
ローンが通らないなどのケースもあり。
2,不動産買取専門業者に買い取ってもらう。つまり下取りです。
スピードは速いのですが、価格は30%~35%ぐらいダウンすることは覚悟しておいたほうがいい。
相続税支払い等で、現金化を急いでいるときは有効な方法。
高く売るには
少しでも高く売りたいのであれば1の方法になります。
つまり、一般の流通市場で、一般の個人に販売するパターンです。
しかしそれでもある程度の価格の幅は生じますし、価格のブレはある程度想定しておいたほうがいいです。
又、いくら高く売りたいからといっても、相場よりも2割も3割もアップした金額を設定しても相手にされません。
購入検討者は、いろんな物件を見て比較検討して、ぎりぎりまで考えて決定します。
不動産という買い物はその性質から真剣にならざるを得ないのです。
そのことを理解した上で、一般の流通市場で少しでの高く売るためには、
①柔軟に対応できるようにしておく。
②常に情報を収集し、状況を理解しておく。
③不動産業者の担当者とは連絡を密にしておく。
④スピード感を重視して、判断は早くする。
⑤(入居中の場合)現地案内はできるだけ対応できる日時を増やす。
⑥現地案内備えて、いつも部屋を明るくしておく
⑦部屋の臭いには注意して、必要に応じて換気・消臭対策をする。
⑧修理が必要な部分で、対応が可能な部分は修理しておく
⑨購入希望者のその他の条件で、対応可能なものはできるだけ対応する。
以上の部分に気をつけるといいです。
買主様も人間ですので、比較検討して最終的に絞って「どうしようかな」という段階になったときは、小さな違いが決め手になることもよくあります。
不動産業者の対応について
不動産業者に売却を依頼した場合、通常媒介契約を締結します。
これには、専属専任媒介契約、専任媒介契約及び一般媒介契約の3つの方法があります。
不動産業者としては、専属専任媒介契約か専任媒介契約の締結を希望することが多いと思われます。
そのこと自体は、特に問題なく、きちんと仕事をしてくれる不動産業者であれば、売主側としてもメリットが多いと考えます。
しかし、反面この専属専任媒介契約、専任媒介契約には不動産業者側に大きな責任があり、自社を通じて売却の依頼を受けた不動産の物件情報をできるだけ広く多くの不動産業者に拡散する義務があります。
(レインズという情報登録機関に登録する義務があります。)
ただ実際には、『囲い込み』といって自社のルートだけで情報を保有し、情報拡散に消極的な不動産業者が存在します。(レインズに登録しない)
こうなると、せっかく信用して媒介契約をしたのに、情報が周知されないことになるので、売主としては販売機会を喪失することにつながります。
この『囲い込み』には積極的な囲い込みと消極的な囲い込みがあります。
積極的な囲い込みとは、文字どおり、他の不動産業者に情報を流すことをせず、たとえ他の不動産業者が取り扱いをしたいと申込をしてきても、断る行為です。
明確にこれをする業者も一定数は存在しますが、それは法律違反であるため、それよりも最近は消極的な囲い込み行為が増えているようです。
消極的な囲い込みとは
①他の業者に広告を出すことを禁じる
②必要な資料の提供をなかなかしない。
③いつもなぜか、商談中であると伝える。ただしいつまでも契約にならない。
④担当者と電話がつながらない。問合せをしても返信がない。
こんな行為です。
それと、囲い込みの応用テクニックとして一般媒介契約を使った囲い込みがあります。
それは、一般媒介契約は、売主側が自由に複数の不動産業者と契約ができるので、契約した不動産業者には他の不動産業者に情報を拡散する義務はありません。(レインズに登録義務なし)
これを逆手にとってこういう契約内容をよく理解していない売主と一般媒介契約を締結して、
「うちに全部まかせてくださいね。」と伝えて、自社だけで情報を独占します。
当然レインズには登録義務がないので登録しません。
他にもいろいろありますが、売主として大切なことは誠実な対応をしてくれる不動産業者を選択することが重要です。