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生産緑地の解除

生産緑地の解除

2024年9月15日

生産緑地とはなにか

都市計画法により生産緑地として指定されている市街化区域内の農地のことです。
農地なので固定資産税・都市計画税や相続税・贈与税が軽減されるメリットがあります。
但し、建築制限や売却の制限があり農地転用もできないので、宅地としての売却もできません。
1992年生産緑地法の改正により、この年に指定された生産緑地については30年経過後の2022年に一斉に解除されることになりました。
そうなると、土地が多く出回ることになり、不動産市場が混乱すると言われていました。
ところが、平成29年に生産緑地法が改正され『特定生産緑地』の制度ができました。
これは、30年の期限経過前に、市町村に対して生産緑地の指定を10年延長申請するものです。
これにより、生産緑地の多くが特定生産緑地の指定受けたため、2022年には特段大きな混乱はありませんでした。

生産緑地の解除とは

30年期限経過前でも、一定の条件を満たせば、生産緑地の解除は可能です。
①農業従事者が死亡した場合か又は②病気・障害などで農業を継続することが困難な場合です。
(同一世帯の家族を代わりの農業従事者として届け出ることにより、農業を継続することは可能です。)
そのためには、まずその生産緑地がある市町村に買取の申し出をする必要があります。
申出があると市長村は買い取るか、買い取らないかの決定を約1か月後に出します。
買い取らない場合は周辺の農業関係者へその農地購入の斡旋を行います。
誰も購入の希望者がいない場合は、その2か月後に生産緑地の指定は解除されます。

生産緑地が解除されるとどうなるのか

生産緑地の指定が解除された場合は、通常の市街化区域内農地になります。
固定資産税・都市計画税も市街化区域内農地の評価になります。
売買も可能であり、その場合は農地法5条の手続を経て、売買を行います。
建物の建築も可能です。その場合は建築基準法の建築確認申請をします。
相続した場合の評価額は通常の路線価評価であり、相続税が課される金額以上の評価額であれば、相続税の支払い義務があります。
又、相続税や贈与税の納税猶予をされていた場合は、その猶予が取り消され、相続時又は贈与税申告期限の翌日まで遡って課税されます。それに加えて利子税もその免税期間分支払う必要があります。
尚、生産緑地の指定から30年経過して、特定生産緑地の指定を受けない場合又は生産緑地の解除原因が生じ、買取申出をしないで、農業を継続しない場合(営農義務違反)は、生産緑地の指定は継続しますが、税金の優遇措置は打ち切られます。

何のために生産緑地を解除するのか

生産緑地は農業従事している人にとって、税金の減免・猶予があり農業継続者を優遇するために考えだされた制度です。
ただ、農業従事をしなくなれば、保護する必要がないため、そのメリットがなくなります。
生産緑地の指定から30年経過、又は病気・障害等の理由で農業継続が困難な場合で、その農地を別の用途で使用しようとお考えの場合は、生産緑地指定の解除手続きをする必要があります。
又、生産緑地指定から30年経過後に10年間の特定生産緑地の指定を受けた場合も、基本的な考え方は同じです。この場合の期限は特定生産緑地の指定から10年経過後です。

岡田行政書士事務所では、生産緑地指定解除のご相談をお受けしております。
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